阿良の浜
「自然から取れるものが一番カラダにいいんだよ」と親が子供に言いながら、
親子そろって岩についた海藻をとっていた。
うんうん、そうだよな～と思って海岸沿いを歩いていると、
はりせんぼんが浜に打ち上げられていた。
よく見ると、口には太い釣り糸のついた太い釣り針が刺さっていて、釣り針と一緒に内臓がついている。
一生懸命呼吸をしているのに、もう泳ぐ体力はない。
一度釣られて、釣り上げられず、ここまで生き延びてきたのか、
漂流していた釣り糸にたまたまかかってしまったのかわからないけど、
まだ生きているのに、なんにもできないことがとっても切ない。
どうやっても釣り針は取れず、とりあえず海にかえしてあげた。
きっとまた浜うちあげられるんだろうな、と思いながら。
たまたま見つけた不幸なはりせんぼん。
食べられもせず、釣り針で死んでいくハリセンボンがとっても哀れに思えた。
05/05/2006 阿良の浜 伊江島
